緩和ケア外来
緩和ケア外来
当院の緩和ケア外来では、がんなどの患者さまで「病状が進行しつつあるが、まだ訪問診療までは必要ない」方を対象としています。私たちは、緩和ケアは「亡くなる準備」ではなく、「残りの人生をよりよく生きていただくお手伝い」であるべきだと考えています。そのためには、まずつらい症状やつらい気持ちを和らげる治療が必要です。ただし、それだけではなくリハビリテーション医療の知識を活用して、少しでも体が動きやすくなって身の回りのことや自分のしたいことができること、病状が進行しても食事が食べられることが大切だと思っています。
私たちがこうした関わりをさせていただくためにまず重要なのは、「患者さまと早く出会うこと」です。これまでは、がんの治療による効果が望めなくなった場合に、緩和ケアに移行するという考えが主流でした。その場合、患者さまが当院のような緩和ケアを担当する医療機関を受診されるのは亡くなる1〜2ヶ月前になる場合が多くなります。その場合は目の前の症状を和らげることに追われてしまいます。もう少し早い時期から関わることができないと、「よりよく生きていただくお手伝い」どころではなくなってしまうのです。訪問診療を中心に行っている当院が緩和ケア外来を行う理由はここにあります。がんの治療を行う病院への通院を続けながら、ときどき当院の緩和ケア外来にも通っていただき、病状が進行したら訪問診療へ移行することができれば、より良い緩和ケアが提供できると考えています。
病状が進行する前に緩和ケア外来に行くことは、「私はまだ末期じゃないのに」と違和感を感じるかもしれません。最初は体調や今後の心配ごとなどについてお話を聞かせていただくだけでも構いません。気軽に受診いただければと思います。
すでに病状が進行して、「最初から往診してほしい」という依頼にも対応させていただきます。申込方法は訪問診療のページをご覧ください。